メモ術の方向性が見えてきた。MOLESKINEのおかげ。

僕のメモ術がいままでうまくいっていなかったのは、紙媒体を多く持ちすぎたためであると考えている。

これらをMOLESKINEにまとめることでストレスが減ってきたので紹介する。

■綴じノートが素晴らしい(ロディアポストイットの問題)
まず、ロディアポストイットをやめた。今後彼らにはお世話にならないことを心に誓った。これでストレスが大幅に減ったと思う。ロディアポストイットはスマートな文具として一般に認知される。「GTD+R」*1とか「ポストイット仕事術」など、これらのツールが持てはやされていたから「きっと素晴らしいツールだろう」と僕は信じて疑わなかった。しかし、よくよく考えれば、机の上は切り離したロディアポストイットだらけで管理不能に陥っていたのだ。

例えば昼休みから帰ってきたらやるタスクをPCにポストイットで張るとしよう。帰ってきたらすぐ気がつくので便利だ。でも、仮にこのタスクを後回しにPCはポストイットだらけになってしまう。よく陥りがちな失敗だろう。だれもがルーズリーフで失敗したことがあるだろう。いちいちファイリングするのが面倒になり、ルーズリーフの袋に入れっぱなしになる。綴じノートは確かに順番を入れ替えたりといった柔軟性には欠けるが、時系列で書けばだいたい探せる。「今日はそのファイル持ってきてないや」とか「そのページだけ見つからない」というストレスよりも「絶対このノートに書いてあるけどどこだろう」の方がストレスが俄然小さい。だから、バラバラなのはやめて綴じノートを使うことにした。

■ノートのサイズについて(無印ダブルリングノートの問題)
ノートの大きさは常に大きな問題だ。大きければたくさん書けるし、俯瞰するのが楽。小さければいつでもどこでも持ち歩くことが楽。どちらをとるのかが問題であるし、両立することは不可能である。この問題のソリューションが「再利用の観点から最小限のメモをとる」である。ルールは以下。

  • 大きなノートは持ち歩かない(無印ダブルリングノートとか普通のキャンパスノートとか)
  • メモをとりたければ配付資料等にとる
  • 再利用する可能性が高いと判断した場合はMOLESKINEにメモをとる←重要
  • そしてこれらのルールは厳密ではない

といったかんじだ。正直に言えば、なんとなく続けていたらこのような形になったのでルールっぽく書いてみただけだ。ポイントなのは再利用するかわからない情報は配付資料にメモることだ。資料とメモが分離しないだけでとても探しやすい。*2
そして、再利用すると考えた情報はMOLESKINEにメモればよい。「あのときのメモどこ行ったかな?」と思った瞬間MOLESKINEをのぞく、開いたページにはないかもしれないが、ページをめくっていけばその情報が必ず存在する。そんな状態が望ましい。案外メモるその時に「再利用しそうだな」と直感が働くはずだ。どうしても見つからなければ、書類を引っ張り出してそのときの配付資料を探そう。一応書いておくかという情報は配付資料に書いてあるから、MOLESKINEを見ても見つからない場合は配付資料を参照すればよいのだ。
検索の観点からもアクティブでフレッシュでインポータントな情報はMOLESKINEにいる可能性が高く、そこにない情報は配付資料にある可能性が高く、それでもない場合はたいした情報ではないってことである。あまり完璧過ぎを求めると破綻する。これが最近常々思うことである。*3「アクティブでフレッシュでインポータントな情報」がMOLESKINEにそろっているからこそ、ふとページを開いたときに新しい着想が浮かんだり、良い情報がリマインドされる。こういった効果の方も大事だ。

MOLESKINEを使っていかにノートをとるかについて、デジタルとアナログの使い分けについてなど、参考記事。

小さいは大きい:Molskine Pocket で講義メモを | Lifehacking.jp
道具の時間軸 - Keep Crazy;shi3zの日記

■「ポケット一つ原則」の再確認(クオバディスのエグゼクティブノート(手帳)の問題)
こんな感じでメモする場所が洗練されていくと、ある一つの方向が見えてくる。野口悠紀雄の言う「ポケット一つ原則」だ。ロディアポストイットをやめることで情報は一箇所に集まりやすくなる。そして、いつでもどこでもポケットに入っている*4MOLESKINEにほぼすべての情報が入っている状態になる。

しかしながら、手帳を持つとこの原則には反するだろう。時間に関する情報はやはり手帳に書いてあった方がわかりいいから手放せないのだ。この問題を解決するために「メモ部分の多い手帳」を買い、一つにまとめようとしたこともあったが、スケジュール部分とメモ部分の消費スピードが違うからうまくいかない。したがって、苦肉の策として手帳には最小限の情報しか記入しないことにした。そうすることでほとんどのメモはMOLESKINE、もう手帳に書くしかない予定に関しては手帳と棲み分けをすることとなった。

■やっと身についてきたメモ術
ここまでの話は「メモをとる習慣はすでに身についていた僕」が「メモ術を洗練させた過程」である。ここで重要なことに気がついたのだ。僕はこれまで書いてきたメモのほとんどを再利用した試しがないことのだ。本当はもっと再生産に重点が置かれたシステムにすべきなのだ。ただでさえ部屋は狭いのに無駄なメモ(がいっぱい書いてあるノート)のためにスペースを使うのはコストだ。再利用しないんだったらメモなんかするなと心に誓えばいい。ああ、メモっておけばよかったがあっても、それは重要でなかったと思えばいい。メモの打率を上げていかないとエネルギーだけ消費することになるから。

  • 再利用しないんだったらメモしないこと(なるべく)

ちなみに小飼弾の言う忘却力はちょっと間違っていると思っている。大事なことは忘れないかもしれないけど、常に頭の中にそのことを覚えておくのはエネルギーがいるし、仕事の生産性があがらないでしょ。企画書を書きながら、何度も「来週の彼女の誕生日のプランニング」について頭をよぎるとかね。少なくとも僕は頭がよくないので、GTDで言うところの「気になること」に関しては書き出してしまった方がよいと思う。メモるべきことは

  • 再利用しそうな情報(着想とか、人の話のメモとおか)→MOLESKINE
  • 頭の中の気になること(脳の短期メモリを消費しているもの)→MOLESKINE
  • 予定→手帳

達人の仕事術:“忘却力”で仕事する──404 Blog Not Foundの小飼さん - ITmedia Biz.ID

■まずはメモをとる習慣をつけるところから
メモをとる習慣を身につけるならここ(↓)が一番良い。下手なメモ術系の書籍よりも100倍参考になる。根本から意識改革しないといけないが、一度身につけば忘れないはずだ。

連載:確実に身につける!メモ術基本レッスン|gihyo.jp … 技術評論社

桃栗三年柿八年のように

  • メモの習慣を身につけるのに3年
  • メモ術を洗練させるのに8年

これくらいの時間がかかるのかもしれない。そのための勉強には以下の記事。メモ関連を集めてみた。

僕のジーパンのポケット事情 - Cheshire Life
いつでもどこでもメモしたい - 関連情報
@nifty:デイリーポータルZ:教えてメモ書き道!
@nifty:デイリーポータルZ: 母のメモ書きと28の注釈


「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

*1:GTD + R (Getting Things Done + RHODIA) (eXtreme Gadget (エクストリーム ガジェット) ポケットに入るアジャイルな究極の小道具)

*2:スペースが足りないという問題が発生するが、たいてい場合においてメモをとりまくっても【二度と見ない!】のである。もし仮に見たとしても、たいして重要ではないことが多い。どうにか調べればすぐたどりつく情報だったりする。いや、むしろそう思うことで自分を納得させるのである。もしかしたら使うかも・・・にエネルギーを注いでる暇はない。

*3:僕は中学生時代から整理魔でルーズリーフを駆使してノートを作り、理科などの絵とかを失敗すると新しい紙で書き直すような几帳面な人間だった。

*4:実際にはカバンだけれど